【出産レポ その5】分娩台へ
出産レポ その1
出産レポ その2
出産レポ その3
出産レポ その4
陣痛室に移動してから1時間半ほど経った頃でしょうか。
先生が何か紙を持って部屋に入ってきました。
陣痛促進剤投与の同意書でした。
先生が部屋に入ってきた瞬間、促進剤だな、と直感で思ったので、ああやっぱりと。
夫は全く予想外といった表情で先生の説明を聞き紙とにらめっこし、「機能不全ってなんだ?」(起こりうる作用の欄に胎児の機能不全とあったので)などと聞いてきます。
私はもうそれどころじゃない、早く赤ちゃんを出してあげなければ…と思っていたのに夫の渋る様子を見てなんとなく不安というか、まだ自力で頑張れるのでは?やはりリスクは回避したいし、痛みには全然耐えられる。もう少し粘ればお産が進んでくれるのではないか…という思いがふつふつと湧いてきてしまい…。
たかが促進剤程度で…と思われるかもしれませんが、実際“胎児の死亡”“子宮破裂”などの文字を見ていると不安になってくるものです。
二人で副作用欄を睨んでいる時の事でした。
ピーッピーッピーッと、またあの音が鳴ったのです。
あ、メッセージだ、と思いました。
早く出してほしがってる。
もう、本当に、出してあげなきゃ。
『使う。早くサインして。早く』
私の様子に、夫はそれ以上何も言わずにサイン。
二名分の署名を終え、促進剤の投与が始まりました。
ここからは助産師さんが付きっきりでそばに居てくれ、夫は部屋から出されてしまいました(笑)
投与し始めてすぐ、痛みの間隔が短くなっていき、便意が込み上げてくるのを感じたので、分娩台の上で脱糞したら恥ずかしすぎる!と思い助産師さんに『あの…便が出そうなのですが…!』と言ったら「あー、それ赤ちゃんです」と笑われました。
噂には聞いていましたが本当にそっくりな感覚です。
“いきみたい”ってどういう感覚なのかな?と思っていましたが便意とまったくもって一緒(笑)
促進剤を投与されてから1時間も経たず、子宮口は8~9㎝にまで開き、痛みの間隔もどんどん短くなり、強くなり、そりゃあ痛かったのですが、どこかで嬉しいとも思っていました。この痛みは赤ちゃんが降りてくる痛みなんだ、エネルギーなんだと。
お腹をさすりながら、一緒にがんばろうね、ママもがんばるからね、と思っていたことを覚えています。
これからお産に臨まれる方がいましたら、痛い痛いと痛みのことばかり考えるのではなく、これは赤ちゃんが降りてくるための力になるんだ、赤ちゃんも頑張ってるんだと考えるといいかもしれません。“誰かのため”と考えることはすごく励みになります。
そしてとうとう11時50分頃、「子宮口もだいぶ開いてきましたし、赤ちゃんの様子も心配なのでもう分娩台に移動しちゃいましょうか」と助産師さんに言われた時はなんだかビックリしてしまいました。
分娩台!?もう!?と。
20時間以上陣痛が続いているのにおかしな話ですが本当にそう思ったのです。
この時点でもまだ自分が子供を産むという実感がなかったからかもしれません(笑)