源泉かけ流し-秋田県産主婦のブログ-

暇人主婦が日々を転がり落ちる様を実況中継

日本中の人に知ってもらいたい、風疹という病気

 

通常時は一過性の病気に過ぎなくても、

妊娠中に感染すると赤ちゃんにまで影響を及ぼしてしまう怖い病気って、たくさんありますよね。

 

その中のひとつに『風疹』があります。

 

風疹とは、

風疹ウイルスによるウイルス感染症の一種で、飛沫・直接接触により感染します

他者との接触のある私たちの誰もが感染する可能性があります。

 

2、3週間の潜伏期間を経て発症。

主な症状としては、発疹、発熱、頭痛、鼻水、せきなどが挙げられますが、

症状が出ない患者が全体のなんと30~50%を占めます。

 

つまり無自覚のままウイルスをばらまく可能性があるということです。

 

ウイルスに感染しても症状が出ない確率が3割以上あるなら感染してもそんなに怖くないじゃん、症状も風邪に毛が生えた程度みたいだし…と思いましたか?

 

しかし妊娠初期の妊婦が風疹ウイルスに初感染すると、

80~90%という高い確率で胎児が『先天性風疹症候群』という障害を背負ってしまいます。

 

先天性風疹症候群の三大症状は

 

・眼異常(白内障緑内障網膜症、小眼球症)

・聴力障害(難聴)

・先天性心疾患(心奇形)

 

です。

 

胎内死亡や流産を引き起こす可能性もあり、脳性麻痺や髄膜脳炎、糖尿病、低出生体重児、糖尿病、異常行動、発達遅滞なども確認されています。

これらの障害は程度も様々で、いくつかの障害を併せ持って生まれてくることがほとんどです。

 

あなたが風疹ウイルスに感染し、無自覚のまま電車に乗ったとします。

その電車に妊婦さんが乗っていて、妊婦さんが風疹ウイルスに感染します。

産まれてくる子供は80%以上の確率で障害を背負って生まれてきます。

あなたはそのことに一生気付かないままなのです。

 

例えば赤ちゃんが白内障と何らかの心疾患を持って生まれてきたとします。

 

まず、物が見えるような月齢になっても周囲に反応を示しません。

生後3ヶ月を過ぎたあたりから眼球の揺れが治まらない眼球振盪(がんきゅうしんとう)が現れはじめます。

 

これらの症状を放置すると視力障害を引き起こしますので早急な手術が必要になります。

生後17週までの手術が推奨されていますので、首が座るか座らないかのうちに赤ちゃんの眼球をメスで切りレンズを挿入することになります。

他の眼障害を併発している場合は成長を待ってのレンズ挿入になります。

その間子供は“よく見えない”状態を強いられます。杖も使わなくてはいけないでしょう。

 

心疾患は症状の種類や程度にもよりますがほとんどの場合

外科的処置は避けられません。一生付き合っていかなければいけない障害です。

子供がスポーツ選手になりたいと思ったとき、自分の障害のことを知って愕然とするでしょう。

 

私が風疹という病気がいかに恐ろしいか知ったのはこの漫画でした。

 

コウノドリ(1) (モーニング KC)

コウノドリ(1) (モーニング KC)

 

 

どこかで一度は目にされたことがあるのではないでしょうか?

『妊娠・出産』にスポットを当てた漫画です。

 

恥ずかしながら私はこの漫画を読むまでは風疹がどのような病気かよく知りませんでした。

知らないというのは本当に恐ろしいことです。

 

風疹について描かれているのは4巻です。

この巻にある少女が登場します。

 

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笑顔が印象的な少女ですね。

 

彼女は作中でこんなことを言っています。

 

(父親の部下(伊達さん)の奥さんが妊娠したことを知って)

 

『伊達さん赤ちゃん産まれるの?じゃあちゃんと風疹の注射受けてね

赤ちゃんがかわいそうだから

 

私はね…お母さんのお腹の中で風疹にかかっちゃって

目も見えないし胸もちょっと苦しくなるから

知らない人に「あらかわいそうね~」なんて言われるけど

 

でもね

お父さんもお母さんもとっても優しいし

ピアノだってすごく楽しいから……

私はちっともかわいそうなんかじゃないんだけど

 

でもたまに私の病気のせいで

お父さんとお母さんがケンカしたり

お母さんが私に隠れて泣いてたり

お父さんが笑わなくなったりすることがあるから

 

だから私はずっと笑っていようって決めたの

だって私が悲しい顔してたら

お父さんとお母さんはもっと悲しくなっちゃうでしょ

 

でもさ……

ずっと元気にして笑ってるのも

これが結構疲れちゃうんだな

 

だから伊達さんの赤ちゃんに

そんなこと決めさせたらかわいそうだよ』

 

今、風疹患者の80%を20代~40代が占めています。

 

この年代はワクチンの接種率がとても低く、それ以上の年代になると接種している人はほとんどいません。

過去にワクチン接種を受けていても、1回のみであることがほとんどで(今は2回接種が義務付けられています)、抗体値は年数とともに減少してしまいます。

 

私は妊娠してからこの事を知り慌てて予防接種の記録を調べましたが、やはり接種は一度しかしておらず、抗体値も下がってしまっていました。

妊娠中は風疹ワクチンを打つことができません。

 

毎日接する人はせめて…と旦那に漫画を読んでもらいワクチン接種もしてもらいましたが、日本中の人全員がこのワクチンを打っていれば、この病気はなくせるのではないでしょうか。

 

風疹は注射一本で防げる病気です。

 

『知らなかった』で過去に戻ることはできません。

自治体の助成もあります。

数分の注射でこれから生まれてくる子供たちを障害から守ることができる。

あなたが周りの人一人に教えるだけで、起こらなくて良かった悲しい出来事をなくせるかもしれません。

その子を救えるのは、あなただけかもしれないのです。

 

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